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ブログvol.006

「アスペルガー」はもう使われない?今の診断名「自閉スペクトラム症(ASD)」との違いをやさしく解説

NaviPa編集部

最終更新 2026.09.19

「アスペルガー」はもう使われない?今の診断名「自閉スペクトラム症(ASD)」との違いをやさしく解説

先日、Threadsに「あのー、自閉症でもアスペルガーっていう区分は、もう使われないのだよー。」と一言書きました。軽い気持ちで書いたのですが、2万回以上読まれて、たくさんのコメントをいただきました。

相談の場でも、よくこんな言葉を聞きます。「うちの子、小さいころにアスペルガーって言われたんですけど、この前の病院では自閉スペクトラム症って言われて……。診断が変わったってことですか?」

ひょっとしたら、あなたにも同じようなモヤモヤがあるかもしれません。

  • 病院で「自閉スペクトラム症」と言われて、アスペルガーとは違うの?と混乱した
  • 本やネットで調べるほど、アスペルガー、高機能自閉症、ASD…と言葉がバラバラで、よけいにわからなくなった
  • まわりから「アスペっぽいよね」と軽く言われて、胸がざわっとした

どれも、とても自然な戸惑いです。

アスペルガーという診断名は、2013年から使われていない

20年前、わたしがこの仕事を始めたころは、「アスペルガー」は当たり前に使われている言葉でした。

しかし実は、アスペルガー障害(アスペルガー症候群)という診断名は、2013年に国際的な診断基準から外れています。

アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-5」で、自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害などがひとつにまとめられ、「自閉スペクトラム症(ASD)」という大きなひとつの枠になりました。WHO(世界保健機関)の「ICD-11」でも同じように、アスペルガー症候群という名前はなくなっています。

なぜ、ひとつにまとめられたのか

理由はとてもシンプルです。

線が引けなかったから。

実は、「この子は自閉症」「この子はアスペルガー」という分け方は、診る先生や病院によって判断がバラバラになりやすかったんです。同じような特性の子でも、ある病院ではアスペルガー、別の病院では自閉症、ということが起きていたと言われています。

だから、名前で分けることをやめたのです。

もともと特性の出かたは人それぞれで、はっきりした境目のない「連続したもの」です。虹の色に、くっきりした境目がないのと似ています。赤からオレンジ、オレンジから黄色へと、少しずつなめらかに変わっていく。「スペクトラム」は、まさにこの「連続体」という意味です。

いまは名前で分けるかわりに、次の2つの面から見ていきます。

  • 人との関わりやコミュニケーションの特性
  • こだわりや、感覚の敏感さ・鈍感さなどの特性

そのうえで、「どのくらい支援が必要か」「知的な遅れやことばの遅れがあるか」を、一人ひとりみていく形になっています。

つまり、アスペルガーが「なくなった」のではなく、自閉スペクトラム症という大きな枠の中に入ったということです。

昔「アスペルガー」と言われた人は、どうなるの?

ここが、いちばん気になるところですよね。

安心してください。診断が取り消されるわけではありません。以前アスペルガーと診断された人は、いまの基準では「自閉スペクトラム症」にあたると考えられています。

ただ、日本の行政や医療の書類では古い基準(ICD-10)が使われている場面もあり、「アスペルガー症候群」という言葉をまだ見かけることがあります。言葉が混ざっていて当然なんです。混乱するのは、あなたのせいではありません。

名前よりも、大事なこと

ひとつ、そっとお伝えしたいことがあります。

ネットや実生活では「アスペ」という言葉が、人を下げる言い方で使われることがあります。わたしは、これが本当に悲しいです。

診断名は、その人を決めつけるラベルではありません。「どんな手助けがあると、暮らしやすくなるか」を考えるための地図なんです。

そして、「どのくらい支援が必要か」はずっと同じではありません。環境が合っていたり、まわりの関わり方が変わったりすると、困りごとがぐっと減る子はたくさんいます。20年この仕事をしてきて、何度も見てきました。

名前が何であっても、変えていけるところは、ちゃんとあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

  • アスペルガーという診断名は、2013年から国際的な基準では使われていない
  • いまは「自閉スペクトラム症(ASD)」という、ひとつの大きな枠になっている
  • 理由は、特性に境目がなく、線が引けなかったから
  • 昔アスペルガーと言われた人の診断が、取り消されるわけではない
  • 大事なのは名前より、「どんな手助けがあると暮らしやすいか」

言葉が変わっても、目の前のお子さんは何も変わっていません。


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名前にふり回されるのではなく、目の前のお子さんの「困った」と「できた」をひとつずつ見つけていく。あなたがそんなふうにお子さんと向き合っていくことを、私はとても楽しみにしています。

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NaviPa編集部

発達凸凹の子・家族・支援者を支える3者統合のコミュニティ「NaviPa」の編集部です。

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