
「抱きしめたほうがいいのか、離れたほうがいいのか」
年中の男の子を育てるAさんは、深夜にスマホで検索しながら、そんなことばかり調べていたそうです。
癇癪が始まると、何を言っても届かない。けれど次こそは正解を出したくて、また調べる。
「わたしの対応が下手だから、おさまらないんですよね」
そうおっしゃいました。
ひょっとしたら、あなたにも似た夜があるかもしれません。
- 「癇癪 対応」で調べて、出てきた方法を全部ためした
- 落ち着いて声をかけられた日もあるのに、次の日はまた同じ
- うまくいかないのは、自分の対応が下手だからだと思っている
どれも、まじめに向き合っている人ほど通る道です。
しかし、変えられるのは「起きたあと」ではありません
スイッチが入ったあとの子どもの脳は、話を聞ける状態ではありません。だから、起きてからの対応をどれだけ磨いても、効果には限界があります。
ABA(応用行動分析=行動の仕組みを見る考え方)では、「予防」をいちばん大事にします。
だから、「その前」を見ます
ABAでは、行動を3つのまとまりで見ていきます。
- A:きっかけ(行動の前に起きていたこと)
- B:行動(癇癪そのもの)
- C:結果(そのあと起きたこと)
多くの人は、BとCばかりを見ます。けれど実際に動かしやすいのは、Aのきっかけです。
わが家の場合は、もっと大きくなってからやってきました。
小5のとき、ゲームをやめたくなくて暴言を吐く。そのころは毎回、頭にきていました。
けれど記録をとってみると、はっきり見えてきたんです。
長時間ゲームを続けたあとに、起きやすい。
機嫌も性格も関係しますが、それでも条件がそろったときに起きがち。
つまり、癇癪は「突然」ではなく、きっかけの積み重ねで起きているということです。
今日からできる、3つの手立て
① 終わりを見せる
小さい子なら「長い針が6になったら終わりね」。ゲームなら、始める前に終わりの時刻を決めて、見えるところに置いておく。
大事なのは、終わってから言うのではなく、始める前に見せておくことです。
② 変化を予告する
「あと10分で出かけるよ」「今日は公園じゃなくてスーパーね」。切り替えが苦手な子ほど、心の準備の時間が要ります。
③ 疲れの前に休ませる
行事のあと、人の多い場所のあと。特性のある子は、感覚の刺激を人一倍拾って疲れています。予定を足さず、あえて何もしない時間をつくる。
全部やらなくて大丈夫です。まずは1つだけ。
記録を2週間つけると、わが子のきっかけが見えてきます。
いつ、どこで、直前に何があったか。メモはスマホで十分です。
それでも癇癪が起きてしまったときの手順は、こちらにまとめています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 癇癪は、起きてからでは届きにくい
- ABAでは「きっかけ(A)」を見て、予防を大事にする
- わが家で多かったきっかけは「長時間のゲーム」。急な変更や疲れも、よくあるきっかけ
- 今日からできるのは、終わりを見せる・変化を予告する・疲れの前に休ませる
- まずは2週間、記録してみる
対応が下手だったのではなく、見る場所が違っただけです。
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起きてからの100点を目指すより、起きる前をひとつ変えてみる。あなたがそんなふうにお子さんと向き合っていくことを、私はとても楽しみにしています。
AUTHOR
NaviPa編集部
発達凸凹の子・家族・支援者を支える3者統合のコミュニティ「NaviPa」の編集部です。



